三十三カ所観音霊場の巡拝は、養老2年(718)大和国長谷寺の徳道上人によってはじめられたといわれています。
伝説によれば、急病で亡くなった徳道上人は、冥界で閻魔大王に会い、悩める人々を救うために観音霊場を定めてほしいと頼まれ、三十三の宝印を授かりました。この世に帰された上人はさっそく近畿地方に三十三カ所の霊場を定めました。
これが西国三十三所巡礼のはじまりです。現在、各札所参拝のおりに押していただくご朱印は、この閻魔さまから授かった宝印を起源とします。
上人が開いた観音巡礼はすぐに世に広まりませんでしたが、その280年後花山法皇が西国三十三所を巡拝してから大いに発展しました。花山法皇は各霊場のご詠歌を定め、それを木札に記して霊場ごとに打ち付けて歩きました。札所を巡拝することを「打つ」というのはこのことに由来します。
さて、西国観音巡礼がさかんになるにつれ、各地に三十三観音霊場を設ける気運が高まってきました。越後三十三観音霊場は、鎌倉幕府五代執権北条時頼(1227~1263)が康元元年(1256)越後回国のおりに定め、ご詠歌を作ったと伝えられています。北条時頼は善政をしいた名君として知られ、宗教心にも厚く後に出家して最明寺入道と号しました。越後札所の第33番には寺名にその最明寺の名がつけられています。
観音霊場を巡拝する人は、もとは般若心経や観音経を写経して、それを各霊場に納め、そのしるしとしてご朱印をいただいたものでした。ご朱印をいただく帳面を納経帳というのはこのことによります。現在では参拝のしるしとしてご朱印をいただきますが、観音さまを信仰する証しとしてのご宝印ですから、心を込めて参拝し、できれば般若心経などをお唱えしてからいただきたいものです。
越後三十三観音の札所詳細
第1番札所
岩屋堂
第2番札所
摩尼王寺
第3番札所
大泉寺
第4番札所
妙智寺
第5番札所
宝蔵寺
第6番札所
常楽寺
第7番札所
摩尼珠院
第8番札所
不動院
第9番札所
広済寺
第10番札所
長徳寺
第11番札所
大福寺
第12番札所
天昌寺
第13番札所
弘誓寺
第14番札所
真福寺
第15番札所
千蔵院
第16番札所
椿沢寺
第17番札所
不動院
第18番札所
根立寺
第19番札所
光照寺
第20番札所
照明寺
第21番札所
吉田寺
第22番札所
国上寺
第23番札所
観音寺
第24番札所
景清寺
第25番札所
真城院
第26番札所
乙宝寺
第27番札所
光浄寺
第28番札所
白蓮寺
第29番札所
宝積院
第30番札所
普談寺
第31番札所
正円寺
第32番札所
宝塔院
第33番札所
最明寺
越後三十三観音御開帳の詳細(終了しました)
北条時頼公が没して750年の節目となる平成25年に越後三十三観音霊場会では、
平成26年、下記日程で御開帳行事が開催されました。
越後三十三観音御開帳
■御開帳行事日程
◎平成25年4月29日〜10月24日
(終了しました)
◇結願法要
◎日程:平成25年10月24日(木)
◎時間:午後3時〜3時半
◎場所:十五番札所 千蔵院
☆結願法要特集ページはこちら
◇開白法要
◎平成25年4月29日
◎場所:三十三番札所 最明寺
☆開白法要特集ページはこちら
※御開帳期間中、観音さまのお手につながる五色の「善の綱」を全札所に設置し、お手にふれて観音さまとご縁を結んでいただきました。
※御開帳期間中に納経された方に「おすがた」を授与しました。